今日のことば。2026.3.4

『魂でもいいから、そばにいて〜3.11後の霊体験を聞く』
著作:奥野修司 出版:新潮社 発行:2017年

「これからどう生きていけばいいのか悩んでいたときです。このとき娘はいなかったのですが、これまでと違ってはっきりとした像でした。夢の中で妻はこう言ったんです。
『いまは何もしてあげられないよ』
そう言われたとき、あの世からそんな簡単に手助けはできないんだろうなと、私は夢の中で思っていました。死は最悪のことじゃないから、命に関わることでは助けてくれないのでしょう。すると妻はこう言いました。
『でも信頼している』
私は、うんうんとうなずいていました。そのあとで『急がないから』、そして、『待っている』と言ったのです。(中略)
妻が言ったその言葉の一つ一つがよくわかるし、何よりも『信頼している』と言われたのがすごく嬉しいんです。とくに『待っている』というのは、私にとっては究極の希望です。みなさんの言う希望は、この世の希望ですよね。私の希望は、自分が死んだときに最愛の妻と娘に逢えることなんです。死んだ先でも私を待っていてくれるという妻の言葉こそ、私には本当の希望なんです。いつか再会できるんだという一縷いちるの希望が持てたからこそ生きてこれたのだと思います。」