【日蓮聖人が遺した言葉】陰徳あれば陽報あり

日蓮聖人が遺した言葉

陰徳あれば
陽報あり

『陰徳陽報御書』/弘安2年(1279) 聖寿54歳

解説

ー陰徳陽報ー
「受けた恩は岩に刻め。貸した恩は水に流せ」と古人の言葉にあります。これは私たちの思いがこの反対になりがちだからこその戒めなのでしょうか。
見返りを考えず行った親切でもお礼を言われなかったり、通じていなかった時に不満を覚えることはないでしょうか。
そんな時ちょっと振り返って下さい。あなただって誰かの親切に気付いていないことがあるかも知れませんよ。思い当たったらこの言葉を口ずさんで下さい。
「誰かがあなたの力になっている。あなたも誰かの力になっている。誰かが誰かの力になっている」

『陰徳陽報御書』

本書は四条金吾氏に与えられたお手紙です。四条氏の強盛な法華経信仰は主君や同僚から何度も迫害を受けることになったのです。しかし相手の成仏を願う至誠の行動を貫いた結果、ついに事態が好転しました。
日蓮聖人は相手に理解されなくとも陰徳を積むことは必ずや大いなる功徳となって報われると説かれます。そのためにはじっと堪える忍辱心が重要なのだと励まして下さっています。

〜日蓮宗ポータルサイト「今月の聖語」より