【日蓮聖人が遺した言葉】沙婆と申すは忍と申す事なり

日蓮聖人が遺した言葉

沙婆と申すは
忍と申す
事なり

『四恩鈔』/弘長2年(1262) 聖寿41歳

解説

ー人生のアスリートー
この世を人は娑婆とも呼びます。語源は梵語の「サハー」に由来し、苦しみを耐え忍ぶ世界ということです。
ところで今年は東京オリンピック・パラリンピック。アスリートたちは出場を目指し今まさに胸突き八丁。様々な思いで日々練習の苦しみに耐え忍んでいます。しかしその忍耐があるからこそ表彰台で光る涙がこぼれ落ちるのではないでしょうか。
苦しみは人を成長に導くエネルギー源です。私たちも人生の表彰台を目指すアスリートなのです。

『四恩鈔』

本鈔は日蓮聖人伊豆流罪の折に書かれたお手紙です。
幕府に『立正安国論』を奏進するや次々起こる迫害の嵐。遂に伊豆流罪となられました。
しかし本鈔冒頭で「大いなる悦び」と語られるように流罪自体がご自身の法華経信仰の正しさの証しと受け止めておられます。そしてその迫害者たちに対しては「恩深き人」とまで述べておられます。
「忍」の極みに見えて来るのが「恩」なのです。

〜日蓮宗ポータルサイト「今月の聖語」より