【日蓮聖人が遺した言葉】孝養父母は第一にて候

日蓮聖人が遺した言葉

孝養父母は
第一にて候

『窪尼御前御返事』/弘安2年(1279) 聖寿58歳

解説

ー孝養ー

「実に古くして新しき道は報恩のおしえなり 孝は百行のもとにして信への道の正門ぞ」という言葉があります。
昨今の風潮をみると「孝養」という言葉を耳にすることが少なくなった気がしませんか?
しかし親への報恩は、すなわち自分自身の命の尊さを省みることにもなります。そしてそれこそが信仰の出発点であり到達点でもあるのです。
今月はお彼岸を迎えます。この機会に「孝養」と口ずさんでみて下さい。きっと何かを感じることができるでしょう。

日蓮聖人ご遺文『窪尼御前御返事』

この女性は日蓮聖人の有力信徒高橋六郎兵衛入道の妻で持妙尼と称します。富士の久保に住むことから窪尼とも呼ばれました。
聖人は農繁期ながら身延の窮状を案じ供養を送った志に感謝し、亡夫の成仏と、遺された孝心厚い娘の多幸が述べられています。文末に貧しいながらも母を養う娘が天の心を打ち、皇帝の妃になった中国の故事を引き、「一切の善根の中に孝養父母は第一にて候」と法華経信仰の篤い母子を讃えておられます。

弘安2年(1279) 聖寿58歳

〜日蓮宗ポータルサイト「今月の聖語」より