【日蓮聖人が遺した言葉】此より大海を亘りて佐渡の国に至らんと欲す

日蓮聖人が遺した言葉

此より
大海を亘りて
佐渡の国に
至らんと欲す

『寺泊御書』 文永8年(1271) 聖寿50歳

解説

ー覚悟ー

このお言葉は日蓮聖人が佐渡流罪に当たって出船地、現在の新潟県寺泊から富木常忍を通し弟子信徒へ宛てた遺書に匹敵する一節です。本書には再び生きて戻れぬ覚悟がにじみ出ています。
しかし、このお言葉には幕府の命に従って止むなく赴くのではなく、むしろ死を覚悟した先には仏の命に従い、法華経の教えを体現しようとする不動の信念が込められています。
よく聞く言葉です。「艱難汝を玉にす」艱難を恐れぬ覚悟が自らを磨く源になるのです。

『寺泊御書』

佐渡島はその昔、為政者に反する人の流罪地でもありました。当時京都から遠いほど重罪で順徳上皇や世阿弥も流されました。
鎌倉幕府は政治の在り様に異を唱える聖人を危険人物とし斬首の刑を下しました。しかし事成らず佐渡流罪に処したのです。
750年前の今月、聖人は足かけ3ヵ年の佐渡での流人生活が佐渡塚原から始まりました。
このご苦難にしっかりと向き合うことが取りも直さず、私たち自身のお題目信仰への覚悟を固めることに繋がるのです。

文永8年(1271) 聖寿50歳

〜日蓮宗ポータルサイト「今月の聖語」より