【日蓮聖人が遺した言葉】著ざれば風身にしみ、食ざれば命持がたし

日蓮聖人が遺した言葉

著(き)ざれば
風身にしみ
食(くらわ)ざれば
命持(たもち)がたし

『松野殿女房御返事』/弘安2年(1279) 聖寿58歳

解説

=共に生き、共に歩む=

自分のお金で食材を買い、自分1人で調理して盛り付け。「いただきます」と掌を合わせたとき、「自分で作った食事なのに誰にいただきますしてるんだろう?」と思ったことはありませんか?

私たちは1人では生きていけません。食事も衣服も、自分以外の他の多くの人・多くのモノと互いに支えあって生きているのです。この「いただきます」の習慣はそれらとの深い結びつき(縁)を受け止めるという「感謝」のことばです。支えあっているのですから、こちらからの発信つまり他のために尽くすという行為がなくては成り立ちません。それが回り巡って自分自身に還ってくる。つまり他のために尽くすことが、そのまま自分を助けることとなるのです。

自分1人の利に駆られて他を害するなど、結果的には自身を傷つけることになるのです。

『松野殿女房御返事』

種々の供養品を受けた松野氏女房への礼状。前半に身延山の情景を記し身延こそは霊鷲山であると述べ、法華信仰者のあなたには仏のご守護の手が差しのべられていると結ばれている。

弘安2年(1279) 聖寿58歳

〜日蓮宗ポータルサイト「今月の聖語」より