【日蓮聖人が遺した言葉】何ぞ煩(わずら)わしく他の処を求めんや

日蓮聖人が遺した言葉

何ぞ煩(わずら)わしく
他の処を
求めんや

守護国家論』/正元元年(1259) 聖寿38歳

解説

=失敗は貴重な宝もの=

誰でもしくじることはあるものです。ごめんなさいですむものならその場で解決できます。でも長い人生においては、簡単に一件落着とはいかず、落ち込んでしまうこともあります。そんな時、あなたはどうしますか。
思い出したくもない。さっさと忘れてすっきりしたい。
それも悪くはないでしょう。ただそれでは真の解決にはなりません。現実から逃避しても一時しのぎにしかなりません。それよりも、貴重な体験と見てはどうでしょう。失敗の原因を探り活かすことです。原因が分かれば失敗を繰り返さずにすむ方策が見つかるでしょう。自分一人で抱え込まず、時には同僚や先輩あるいは頼れる人に相談することも必要でしょう。こうすれば将来の自分、そして今後の人生をより良いものにできるはずです。失敗は今在る自分の姿を見つめるチャンスなのです。

=『守護国家論』=

立正安国論』と共に聖人初期の代表的な著述で、末法の時代における衆生救済と国家の安泰は法華経のみに限られることを説き明かしています。

正元元年(1259)
聖寿38歳

〜日蓮宗ポータルサイト「今月の聖語」より