【日蓮聖人が遺した言葉】それ月は清水に影をやどす濁水にすむ事なし。


日蓮聖人が遺した言葉

それ月は
清水に影をやどす
濁水にすむ事なし。

『諫暁八幡抄』/弘安3年(1280)聖寿59歳

解説

=新年の心=

新年が明けました。昨年を反省し、誰もが清らかな志を立て、美しい一年にしようと誓います。
しかし、時が経てばどうしても濁ってしまい、輝きを失うことがあります。そのようなときは、必ず新年の美しい心を取り戻しましょう。諸天善神は美しい心にこそ住まわれるのです。
過去に大いに学び、未来を見据えて、現在を晴れやかに生きようではありませんか。

『諫暁八幡抄』

弘安三年十一月、源頼朝が創建した鶴岡八幡宮が焼失しました。このご遺文はこれを契機に述作されたものです。
日蓮聖人はこの焼失から、八幡大菩薩は、正しい心を失ったこの国の人々を見捨て、天に帰ってしまわれたのかと問題を提起されたのです。そして、たとえ宝殿が消失しようとも八幡大菩薩は、人の美しい心に住まわれるであろうと示されました。
またこのご遺文は、日蓮聖人が釈尊と同じように、一切衆生が受ける苦しみを自己も同じく背負うという信仰を表明された重要な書です。

弘安3年(1280)聖寿59歳

〜日蓮宗ポータルサイト「今月の聖語」より