【日蓮聖人が遺した言葉】新春の御慶賀自他幸甚々々

日蓮聖人が遺した言葉

新春の慶賀
自他
幸甚幸甚

『大田殿許御書』/
文永12年(1275)聖寿54歳

解説

新春の慶賀
新春の御慶賀自他幸甚々々。

この聖語は日蓮聖人が、信徒の大田乗明公にあてた書状の文頭です。新春の慶賀を、自他幸甚と示されています。ここに聖人の立正安国の信仰があらわれ、ともに前へ向かって力強く歩もうとする姿が見えます。
立正安国とは、すべての人々が幸せに暮らせる社会といえるでしょう。
では、幸せとはどのようなものなのでしょうか。幸せはお金で買えません。買えるのは満足感のみです。お金がないと辛いことも確かですが、私たちはお金のあることを幸せと誤解し続けていたように感じます。もっと言えば、お金で買えないものをあまりにも粗末にしすぎてきたのではないでしょうか。災害や事故、紛争が起こるたびに、それを肝に銘じるのですが、なかなか善なる方向に進めません。
過去の辛さに、意味を持たせるのは、現在の善なる正しい営みであり、それによってのみ幸せな未来が開けるのです。災害で犠牲になられた方々のためにも、生活をしている私たちのためにも、全体が幸せでなくてはならないのです。この祈りが、この聖語であります。

〜日蓮宗ポータルサイト「今月の聖語」より