【日蓮聖人が遺した言葉】地獄と仏とは我等が五尺の身の内に候

日蓮聖人が遺した言葉

地獄と仏とは
我等が五尺の
身の内に候

『重須殿女房御返事』/弘安4年(1281)聖寿60歳

解説

=地獄も仏も心の内=
自分の心を覗いた時、そこに地獄(悪しき心)が存在していたことに気付くのが信仰の原点ではないでしょうか。しかし、自分の悪を認めることは人にとってたやすいことではありません。
それに気付いたらば、日々、仏の前に額ずき己を謙虚に省みることです。その時、初めて仏の大いなる懐に抱かれ、生かされていた自分を発見することができるのです。それが信仰の喜びというものかも知れません。

日蓮聖人御遺文『重須殿女房御返事』
重須は地名で、駿河国富士郡重須郷(現在静岡県富士宮市北山)に居住した石川新兵衛宗忠の妻。夫・新兵衛は聖人から授戒され道念日実と号した。また、同女は聖人の最有力信者の1人南条時光の姉あるいは妹と伝えられ、聖人篤信一族の1人。この館が後の北山本門寺となる。
本書は正月に当たり餅や菓子の供養への礼状に添えて、地獄と仏について教え、その両者とも所在は人の心の内にあることを説く。(本文は原文を中略して引用)
弘安4年(1281)聖寿60歳

〜日蓮宗ポータルサイト「今月の聖語」より