【日蓮聖人が遺した言葉】利根と通力とにはよるべからず

日蓮聖人が遺した言葉

利根と
通力とには
よるべからず

『唱法華題目鈔』/文応元年(1260)聖寿39歳

解説

=真贋を見極める=
世の中には利根といって生まれながらに頭脳明晰な人や目に見えないものを感じたりする人など、不思議な力(神通力)を持っている人がいるそうです。
仏教には三明六通といって、過去・現在・未来を見通す力や煩悩を断つことができるなどの6つの超能力が説かれています。
そこで気を付けておきたいことがあります。人間は困っている時や心身ともに疲れ果て苦しんでいる時に、藁をもすがる気持ちでこういう力だけに飛びついてしまいがちです。でも不思議な力に飛びつく前に少し冷静になって、それがまがい物でないかを見極めましょう。
その判断基準の1つとして、きちんと物事の因縁(原因と結果)をわきまえているか、個人のためではなく人びとの幸せ、世の中の平和に通じているかを考えてみましょう。

日蓮聖人ご遺文『唱法華題目鈔』
物事の善悪をきちんと判断できる基準を持ち、日々を安穏に過ごすにはどうしたらよいかが説かれています。

文応元年(1260)聖寿39歳

〜日蓮宗ポータルサイト「今月の聖語」より