【日蓮聖人が遺した言葉】石中の火 木中の花

日蓮聖人が遺した言葉

石中の火
 木中の花

『観心本尊抄』 文永10年(1273) 聖寿52歳

解説

=秘めたる可能性=

この世の中には、自身の目では見えないものがたくさんあります。詩人金子みすゞは『星とたんぽぽ』という詩の中で、昼間の星やたんぽぽの根っ子は「見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ」と語りかけます。
私たちは目に見えない大事なものの存在を見落としがちです。私たちの内面には計り知れない可能性が秘められています。だけれども、なかなかそれに気づけないことのほうが多いのです。
昔は石を打って火を起こしましたが、普段石の中に火があることを見いだせますか? 枯木にどうして満開の花を想像できますか? けれども、きっかけや時が来れば今は見えないものが現れ出るのです。
だから私たちは信じましょう、今は気づいていない未来や大きな可能性があることを。

『観心本尊抄』

引用の部分は、日蓮聖人が私たちの心の中に、仏さまの心が宿っていることを解き明かしてゆく部分です。本抄は日蓮聖人の大切な教えの軸となる最重要書の1つです。

文永10年(1273)聖寿52歳

〜日蓮宗ポータルサイト「今月の聖語」より