【日蓮聖人が遺した言葉】蝦が大海を見ず

日蓮聖人が遺した言葉

蝦が
大海を見ず

『開目抄』/文永9年(1272) 聖寿 51歳

解説

=知識の広さと智恵の深さ=
《井の中の蛙大海を知らず》とは、よく知られた言葉ですが《されど空の深さを知る》と続くとは、あまり知られていません。
知識は広さを求めるものですが、広くなればなるほど、深い智恵を持たなければなりません。知識に振り回されてしまうからです。
インターネットによって、とてつもなく広い知識を手に入れることができる現代社会は、より《空の深さを知る智恵》が必要なのです。

日蓮聖人ご遺文『開目抄』
このご遺文は、日蓮聖人の著作中で最長編にして、重要書の一つです。
しかし書き起こしは、信仰の部分からではなく、人の歩むべき道としての一般教養からです。
それは聖人が、広大な知識と深遠なる智恵を求め続けられたからなのです。
そして得られた真理と、それを行う《人》について示され、信念を述べられた《かたみ》とされた書です。

文永9年(1272) 聖寿51歳

〜日蓮宗ポータルサイト「今月の聖語」より